口臭はふだんはあまり気にならないものですが、ひとたび他人から口臭がすると言われると、かなり気になるものです。口臭は身近な人から言われます。初めて会った人や他人からは口が臭いねとは、まず言われません。見てみぬふりではなくて、臭っても臭わないふりか、そっと顔をそむけられるので、本人にはわかりにくいものです。口臭は、他人を不快な思いにさせるばかりでなく、本人にとっても気分の悪いものです。
人は本来それぞれ特有の口臭を持っています。それが強いか弱いかですが、その強さの原因が全身の病気から出ているのか、局所の問題なのか、口の中が不潔だからなのか、食生活からくるのかはいろいろです。口臭が病気から出ていて本人には臭いがわからないときは、他人に迷惑をかけているよりも自分自身の身体のことが心配です。近年では歯科医学でも口臭についての研究がされており、国際口臭学会などでは分子生物学から精神医学に及ぶ研究アプローチが報告されています。
そして、口臭症の分類として国際分類は、
1)真性口臭症
a) 生理的口臭(舌や口腔内細菌などにより発生した口臭)
b) 病的口臭・病的口臭(口や身体全体)
2)仮性口臭症
本人は口臭があると言っているが、検査すると異常でないもの
3)口臭恐怖症
1)と2)で改善できないもの
に分類していますが、そんな難しい話はさておいて、口臭の原因は通常では口の中に発生するガス(硫黄化合物)の臭いです。
そのガスが発生しないよう除去・予防することは、歯周病(歯肉の病気)の予防、治療になります。なぜなら、このガスは歯周病を進ませてしまうからです。次回は、口臭予防と除去についてお話します。
落合デンタルクリニック 院長 落合義徳